家族葬の平均費用はいくら?内訳と節約のコツを徹底解説
2024年5月29日
大切な家族とのお別れの際に、心に残る葬儀を行いたいもの。しかし、葬儀の費用について考えると、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。家族葬の平均費用は、一体いくらぐらいなのでしょうか?
実は、家族葬の平均費用は約100万円と言われていますが、その内訳は葬儀社や地域によって大きく異なります。祭壇や棺、火葬などの必要な費用の詳細を把握することで、賢く葬儀の準備を進めることができるのです。
また、葬儀費用を抑えるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。葬儀社選びのコツや、葬儀の形式、オプションの見直しなど、費用を節約しつつ、故人への敬意を忘れない方法があるのです。
本記事では、家族葬の平均費用や内訳、地域別の相場などを詳しく解説します。また、葬儀費用を抑えるための具体的な方法や、葬儀社選びのポイントなども紹介。大切な方とのお別れの時間を、心に残る形で過ごすために、ぜひ参考にしてください。
家族葬の平均費用
2022年に鎌倉新書が行った調査によると、家族葬の費用相場は約100万円前後と言われています。
内訳を見ていくと、葬儀費用が約67万円、参列者の飲食代が約15万円、返礼品費用が約17万円です。
また、お坊さんへのお布施は地域差がありますが、平均すると20万円程度が目安となるでしょう。
家族葬の参列者数は、一般的に10名から30名程度が多いです。この規模の葬儀では、総費用が80万円から100万円の価格帯に収まることが一般的です。
ただし、葬儀の内容や規模によって費用は大きく変動します。そのため、一概に家族葬の費用を断定することは難しいのが実情です。とはいえ、目安として100万円前後を想定しておくのが賢明だと言えるでしょう。
一般葬の平均費用が約140万円であることを考慮すると、家族葬は費用を抑えられる傾向にあると言えます。
とはいえ、葬儀は故人への最後の送り、そして遺族の思い出に残る大切な儀式です。単に費用を抑えるだけでなく、故人への想いを大切にした葬儀を営むことが何より重要です。
関連記事:家族葬を10人でおこなう費用相場は?費用を抑える方法も解説
費用の内訳(式場費、飾り付け、料理、返礼品など)
葬儀費用の内訳は以下に分類されます。
・葬儀費用
・待費用
・お布施
葬儀費用
家族葬の費用の中で大きな割合を占めるのが、葬儀社に支払う葬儀費用です。この葬儀費用には、遺体の安置や管理に必要な費用、葬儀式場で必要な費用、そして出棺や火葬に関わる費用が含まれています。それでは、それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
・遺体の安置や管理に必要な費用
遺体の搬送費、ドライアイスの費用、枕飾りや後飾り、御寝棺、そして納棺奉仕料などがあげられます。特にドライアイスは、遺体の腐敗を防ぐために使用されますが、エンバーミングや斎場・葬儀場の安置室や保冷庫の利用と比べると、最もコストを抑えられる方法です。ただし、安置期間が長くなると追加のドライアイスが必要となり、葬儀業者によっては追加料金が発生する場合もあります。
・御寝棺の費用
御寝棺の費用は、種類や大きさによって異なります。葬儀プランに含まれている棺は通常安価なものですが、オプションで高級な棺に変更することも可能です。桐の棺でも彫刻などの装飾が施されたものは20万円以上、天然木の棺になると40万円から100万円以上することもあります。さらに、故人の体格によって必要なサイズが変わるため、大きめの棺を選ぶと1割から2割ほど割高になる傾向にあります。
・葬儀式場で必要な費用
式場の使用料や宿泊費、祭壇、遺影写真、受付用品、宗教備品、門表看板、案内看板、生花装飾、司会者やセレモニースタッフの人件費などが含まれます。中でも祭壇の費用は規模によって30万円から100万円以上と幅があり、葬儀の費用に大きく影響します。生前に家族で話し合って祭壇の規模を決めておくことで、不必要に高価なものを選ばずに済むでしょう。また、生花装飾は葬儀プランに含まれていないことが多く、追加料金が発生します。一対(2基)あたり1万5千円から5万円程度が相場です。
・出棺や火葬に関わる費用
霊柩車、マイクロバス、ハイヤー、火葬料、収骨容器などがあげられます。火葬場の使用料は葬儀プランに含まれていない場合もあるため、別途費用が必要になる可能性があります。火葬場には公営と民営があり、公営の場合は無料から6万円程度、民営の場合は5万円から10万円程度が相場です。費用を抑えられる公営の火葬場は人気が高く、希望の日程で利用できない場合もあるため、日程に柔軟に対応できるようにしておくと良いでしょう。
待費用
家族葬の費用の中で、「待合費用」と呼ばれる項目があります。これは、葬儀中に参列者にもてなす飲食代、返礼品、香典返しなどの費用を指します。参列者の人数が少ないほど、この待合費用を抑えることができます。
・飲食代
通常、料理の振る舞いは通夜後と葬儀後の2日分となります。通夜後はお寿司などの大皿料理を用意し、葬儀後は参列者一人ひとりにお弁当を準備するのが一般的です。通夜では参列者の人数が確定しにくいため大皿料理で対応し、火葬場では事前に把握した人数分のお弁当を用意することで無駄を減らせます。
ただし、通夜での振る舞いを行わない地域もあるなど、地域によって慣習が異なります。そのため、葬儀費用も地域の慣習に応じて変動します。
・返礼品
返礼品には、会葬御礼と香典返しの2種類があります。会葬御礼は参列者全員に感謝の気持ちを込めて配る品物で、500円から1,000円程度のお茶やお菓子、タオルなどが一般的です。一方、香典返しは御香典をいただいた方へのお返しとして贈ります。本来は葬儀後の四十九日法要の報告として贈っていましたが、近年では葬儀当日に渡す「即日返し」も増えています。
・香典返し
香典返しの相場は、いただいた香典の3割から半額程度とされています。即日返しの場合は、事前に3,000円から5,000円程度の品を用意しておきます。即日返しには後日返礼品を用意する手間を省けるメリットがある一方、余った分は無駄になるというデメリットもあります。
飲食代や返礼品代があらかじめ含まれている葬儀プランもあります。このようなプランでは、葬儀社が提携する料理店やギフト店の商品を利用することになります。
お布施
家族葬の費用を考える上で、見落としがちな項目の一つが「お布施」です。お布施は、葬儀を執り行う宗教者への謝礼として渡すもので、葬儀の形式によって呼び方が異なります。仏式の場合は「お布施」、神式では「ご神饌料」、キリスト教式では「献金」と呼ばれます。
お布施の金額は、感謝の気持ちを表すものであるため、明確な基準はありません。一般的には10万円未満が多いようですが、10万円から20万円が妥当だという意見もあります。お布施の相場が気になる場合は、菩提寺に直接問い合わせるのが確実です。
仏式の葬儀では、通夜・葬儀・告別式での読経や戒名授与に対する謝礼としてお布施を渡します。お寺やお坊さんによっては、御車料や御膳料といった追加の費用がかかる場合もあるので注意が必要です。お布施は喪主から直接宗教者に手渡しするため、葬儀社の見積もりには含まれていません。
なお、お布施や戒名は仏式の葬儀における儀式の一部です。そのため、無宗教葬を選択した場合は、お布施を渡す必要はありません。
家族葬が安くなる理由
家族葬が一般葬よりも費用を抑えられる主な理由は、葬儀の規模に応じて費用が変動するためです。参列者が少ない家族葬では、大きな斎場を借りる必要がなく、また参列者へのもてなしに関わる飲食や返礼品の費用も削減できます。
式場の広さは参列者数に合わせて選べるため、家族葬では一般葬に比べてコンパクトな会場で済むことが多いです。それに伴い、式場の使用料や飾り付け、必要なスタッフの人数なども抑えられ、葬儀費用全体を下げる効果があります。
さらに、参列者への料理の提供や返礼品の準備といったもてなしの費用は、人数に比例して増減します。家族葬では参列者が限定されるため、これらの接待費用を大幅に節約できるのです。
ただし、家族葬だからといって必ずしも喪主や遺族の金銭的負担が軽くなるとは限りません。参列者が少ないということは、いただける香典の総額も少なくなることを意味するからです。場合によっては、一般葬よりも実質的な負担が大きくなることもあり得ます。
また、斎場の使用料や祭壇の飾り付け、車両の手配など、参列者の数に関わらず一定のコストがかかる項目もあります。これらの固定費的な支出は、家族葬でも一般葬でもさほど変わりません。
家族葬以外の平均費用
家族葬以外にも、様々な葬儀の形式があります。それぞれの葬儀の種類によって、費用の平均金額は異なります。
全国的な調査によると、一般葬の平均費用は約151万円となっています。一般葬は、比較的多くの参列者を招いて行われる葬儀形式で、家族葬よりも規模が大きいのが特徴です。そのため、家族葬の平均費用である約100万円に比べると、50万円ほど高くなっています。
一方、通夜を省略した「一日葬」の平均費用は約89万円です。一日葬では、葬儀と告別式を一日で行うため、会場の使用料や飲食費などを抑えることができます。そのため、一般葬や家族葬よりも費用を抑えられるのが利点です。
さらに、通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬のみを行う「直葬・火葬式」の平均費用は約42万円と、最も安価な葬儀形式となっています。直葬・火葬式では、式場の使用や飾り付け、参列者へのもてなしなどが不要なため、大幅に費用を節約できます。
ただし、直葬・火葬式は火葬までの時間が短く、遺族が故人との別れを十分に受け入れられないまま、葬儀を終えなければならない可能性があります。葬儀の形式は、単に費用の安さだけでなく、故人への思いや遺族の心情なども考慮して選ぶことが大切です。
関連記事:家族葬と密葬の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを解説
家族葬の費用を抑えるコツ
家族葬の費用を抑えるコツは6つあります。
・葬儀社からの見積もりを取る
・生前予約をする
・葬儀の形式を見直す
・葬儀のオプションを減らす
・無宗教葬を選ぶ
・葬祭費の還付を受ける
1つずつ紹介していきます。
葬儀社からの見積もりを取る
家族葬の費用を抑えるためには、複数の葬儀社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。各社の見積もりを見ることで、葬儀費用の相場感を掴むことができるだけでなく、プランの内容を比べることで、自分たちに必要なサービスが明確になります。複数の選択肢の中から、最適な葬儀プランを選ぶことで、後悔のない葬儀を実現できるでしょう。
ただし、見積もりを取る際には、内訳や条件を十分に確認することが大切です。葬儀社によっては、飲食費用やお布施代が含まれていない見積もりを提示することがあるからです。不透明な部分があれば、遠慮なく葬儀社に問い合わせ、明確にしておきましょう。
また、不要と思われるサービスが含まれている場合は、それを取り除くことで費用を抑えられないか交渉してみることをおすすめします。葬儀社との対話を通じて、自分たちに最適なプランを作り上げていくことが重要です。
生前予約をする
家族葬の費用を抑える方法の一つに、生前予約があります。葬儀の内容を事前に検討し、予約することで、不要な出費を避けることができます。また、生前予約を受け付けている葬儀社の中には、割引や特典を用意しているところもあるので、費用面でのメリットが期待できます。
さらに、生前予約をしておくことで、故人の希望に沿った葬儀を実現できるというメリットもあります。葬儀の形式やスタイル、演出などを事前に決めておくことで、本人にも家族にも安心感を与えられます。故人の遺言がない限り、葬儀に故人の意思を反映させるのは難しいものです。葬儀を終えた後に、「事前に打ち合わせをしておけば、もっと良い別れの場を設けられたかもしれない」と後悔する遺族は少なくありません。
葬儀の形式を見直す
家族葬の費用を抑える上で、葬儀の形式や内容を見直すことは非常に効果的です。葬儀にかかる費用は、選ぶ形式や付随するサービスによって大きく異なるため、工夫次第で価格を下げることができるのです。
例えば、通夜を行わず、葬儀と告別式を一日で済ませる「一日葬」を選択することで、会場の使用料や人件費を節約できます。また、通夜や葬儀後の会食(通夜ぶるまい・精進落とし)を行わないことも、費用削減につながります。会食の料理や飲み物、会場の手配などにかかる費用を省くことができるからです。
さらに、弔問客への返礼品を用意しないことも検討しましょう。返礼品は参列者への感謝の気持ちを表すものですが、必ずしも必要不可欠ではありません。返礼品の購入費用を抑えることで、葬儀費用全体を下げられます。
葬儀のオプションを減らす
家族葬の費用を抑えるためには、葬儀のオプションを見直すことが効果的です。会食、返礼品、供花(枕花)、お供え物の乾物、精進落としなどのオプションは、葬儀費用を大きく左右する要因となります。
葬儀社のスタッフの中には、オプションを強く勧める人もいるでしょう。それは、売上を上げるためではなく、故人を想う気持ちから、よりよい葬儀を提案しているのだと理解することが大切です。
確かに、最も安いプランだけでは、寂しい印象の葬儀になってしまうかもしれません。オプションを付けること自体は、間違った選択ではありません。問題なのは、不必要なオプションを選ぶことです。費用ばかりを気にして、必要最低限に抑えようとすると、納得のいく葬儀が実現できないこともあります。
無宗教葬を選ぶ
生前に特定の宗教を信仰していなかった方や、霊園のお墓に入る予定の方の場合、無宗教葬を検討してみるのも良いでしょう。
無宗教葬では、僧侶を呼ぶ必要がないため、お布施の費用を節約できます。また、戒名を付けないことで、戒名料も不要になります。仏式の葬儀に比べて、費用を大幅に抑えられるのが無宗教葬の大きなメリットです。
ただし、読経や焼香のない無宗教葬に抵抗を感じる遺族や親族もいるかもしれません。葬儀の形式は、故人の意思だけでなく、遺された家族の心情にも配慮する必要があります。無宗教葬にするかどうかは、遺族や親族の間で十分に話し合い、合意の上で決めることが大切です。
葬祭費の還付を受ける
家族葬の費用負担を軽減する方法の一つに、葬祭費の還付制度を利用することが挙げられます。故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀を行った喪主は、一定の手続きを経ることで葬祭費の還付を受けられる可能性があります。
ただし、自治体によって葬祭費の還付条件や金額は異なります。中には、直葬や火葬のみの場合は葬儀として認められず、還付の対象とならないところもあるので注意が必要です。還付金額も自治体によって差があり、1万円から7万円程度の範囲で設定されています。
葬祭費の還付を申請できるのは、葬儀の主催者である喪主に限られます。還付金を受け取るためには、所定の申請書類を提出し、必要な手続きを行う必要があります。葬儀社によっては、葬祭費還付の手続きをサポートしてくれるところもあるので、活用することをおすすめします。
関連記事:家族葬の費用を安くする9つの方法を紹介
関連記事:家族葬の費用は誰が払う?喪主が葬儀代を払う?
まとめ
家族葬の平均費用は、約100万円程度ですが、葬儀の規模や内容、地域によって大きく異なります。費用の内訳は、祭壇や棺、火葬などの葬儀に必要な項目から構成されています。
また、葬儀費用を抑えるためには、葬儀社選びや葬儀の形式、オプションの見直しが重要です。複数の葬儀社から見積もりを取り、比較検討することで、適切な価格とサービスを選ぶことができます。さらに、葬儀の形式を工夫したり、不要なオプションを省くことで、費用を節約することも可能です。
故人への敬意を大切にしつつ、葬儀費用を賢く管理することが、心に残る家族葬を実現するカギとなります。葬儀社との相談を重ね、ご家族の希望に沿った、最適な葬儀プランを作ることが大切です。本記事が、大切な方とのお別れの準備に役立つ情報となれば幸いです。
投稿者プロフィール
- セレモニー心は家族葬専門の葬儀社として、皆様の葬儀に対する不安や悲しみに寄り添って参りました。近年、少子高齢化や価値観の多様化により葬儀社に求められることは大きく変わろうとしています。家族葬専門「セレモニー心では、お客様目線を第一に考え、地味でもなく、派手でもなく「ちょうどいい」と感じていただける空間をご提供し、温かいご家族の時間をお過ごしいただきたいと心から願っております。
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